こんにちは。坊主です。
今回は、1951年に熊本県 菊池郡で発生した「菊池事件」を取り上げます。
本事件では犯人として「藤本松夫」(当時29歳)が逮捕されています。
犯人として逮捕された藤本から名前から「藤本事件」とも呼称されます。
一体、藤本松夫とはどんな人物なのでしょうか?
菊池事件:藤本松夫の顔写真(画像)
事件の犯人として逮捕された藤本さんの顔写真(画像)がこちらです。
生前の藤本さんはハンセン病を患っており、国立療養所「菊池恵楓園」への入所を勧められていました。
そんな中、村役場の衛生課に勤務する職員(当時50歳)の家にダイナマイトが投げ込まれるという事件が発生したのです。
この事件により、藤本さんは犯人として逮捕されています。
その理由は、ダイナマイトを投げ込まれた職員の証言でした。
この職員によると、菊池恵楓園への入所を勧められた藤本さんは、これが被害者職員の通報(密告)によるものだと考えていたというのです。
そのため、被害者職員は藤本さんから恨まれているとも証言しました。
この証言がきっかけとなり、警察は藤本さんを犯人として逮捕したというわけです。
ところが、実際の裁判では、藤本さんの犯行を裏付ける決定的な証拠は一切提出されず、また、ダイナマイトの入手先も解明されなかったのです。
それにも拘わらず、藤本さんは有罪が確定してしまったのです。
こうした不合理な判決が下された背景には、藤本さんが罹患していたハンセン病への無理解や偏見・差別などがあったとされています。
真相や真犯人は?
ダイナマイト事件で有罪が確定した藤本さんですが、実は、別の事件でも有罪が確定しており、最終的には死刑に処されているのです。
実は、藤本さんは第一審の判決後に脱獄しており、姿を晦ませていました。
彼が逃亡していた期間は3週間ほどでしたが、この期間に”第二の事件”が発生してしまいます。
この事件では、ダイナマイト事件の被害者である職員が惨殺死体で発見されたのです。
先述した通り、この職員は藤本さんから恨まれていると警察に証言していました。
そのため、警察はこの事件も藤本さんが犯人であると断定したのです。
最終的に藤本さんは逃亡中に発見され逮捕されていますが、彼が脱獄した理由は「娘に一目会いたかった」と供述しています。
彼は2つの事件について一貫して無罪を主張していたものの、それが裁判所に認容されることはなく、いずれの事件でも有罪が確定し、第二の事件では死刑が言い渡されています。
藤本さんの主張が真実だとすれば、2つ事件を起こした”真犯人”は別に存在することになります。
しかし、警察や検察は最初から藤本さんを犯人だと決めつけていたため、他の容疑者については把握していなかったと思われます。
事実、2022年12月現在に至るまで真犯人は逮捕されておらず、真犯人に結びつく有力な手掛かりさえも報道されていないのです。
もし藤本さん以外に真犯人がいたとしても、真相が解明されることは極めて困難でしょう。
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