こんにちは。坊主です。
2019年8月21日、警察からの出頭要請を拒否したことで埼玉県・上尾市の会社員が逮捕されました。
実は、逮捕された容疑者は交通違反に関する”あるデマ”を信じ込んでいたのです。
一体、この容疑者はどんな理由で出頭要請を拒んでいたのでしょうか?
今回は、ネット上に流布している交通違反に纏わる”デマ”について調べてみました。
交通(速度)違反は上申書を出せば違反逃れができる?
警察からの出頭要請を拒否したことで逮捕されたのは小松弘幸 容疑者でした。
小松容疑者の逮捕について「共同通信」は次のように報じています。
小松容疑者は
「上申書を出せば違反逃れができる」
というインターネット上の虚偽情報を信じ、
出頭要請を拒んでいた。
県警は、
任意の取り調べのため複数回出頭を求めたが、
小松容疑者は「車を第三者に貸しており名前は明かせない。
警察の要請には応じない」との上申書を送り、拒否していた。
(2019年8月21日配信)
上記の通り、小松容疑者が出頭を拒んでいたのは「上申書」が大きな理由でした。
小松容疑者の思惑としては、出頭を拒否し続けることで速度違反の罰則金をなかったことにしようとしたのでしょう。
しかし、結果的に彼は違反金に加え、「逮捕」という前歴が科されてしまいました。
違反金をもみ消そうとした小松容疑者にとって、今回の逮捕は最大の誤算だったと言えます。
そもそも上申書とは?法的効力はある?
ネット上では「上申書を出せば違反逃れができる」という情報が流布していますが、これは全くのデマでした。
しかし、そもそも「上申書」とはどんな代物なのでしょうか?
そこで、上申書について調べたところ、以下の事実が判明したのです。
官公庁や警察などに対して、
法的な所定の手続きなどによらずに
単に申し立てや報告などを行うための書類や報告書のこと。
※「実用日本語表現辞典」より引用
上記の通り、上申書とは「法的な手続きによらない報告書」という意味なのです。
つまり、上申書には法的な効力はないことになります。
そのため、いくら上申書に自身の考えを綴ったところで、それを理由に逮捕されないということはないのです。
ネット上では様々な情報が氾濫しているため、その真贋を見極める力が必要です。
上申書が考慮される場合もある
法的な効力こそない上申書ですが、全ての上申書が「効果なし」というわけではありません。
実は、弁護活動する際に、弁護士が警察や裁判所に上申書を提出するケースが多々あるのです。
上申書が効果を挙げた一例として、以下の事例を取り上げます。
ご本人が出頭する前に、
弁護士が、事件の内容や出頭するまでの経過をまとめた上申書を作成しました。
出頭後は、
ご本人に窃盗症のクリニックに通ってもらいました。また、謝罪文を作成してもらい、
弁護士を通じて被害店舗にお詫びをしました。
ご本人が逮捕された翌日、
弁護士が裁判所に上申書を提出するとともに、
ご本人が自発的に出頭したことや、
再発防止の取組みなどを説明した結果、
勾留されることなく、
わずか1日で釈放されました。
※「ウェルネス法律事務所」より引用
上記の通り、上申書は適切なタイミングで、適切な内容を取りまとめれば効果を挙げることが期待できるのです。
ただし、今回のケースでは、「出頭しない」という自分の意見だけを一方的に送り付けているだけなので、逮捕に至りました。
世間の反応
スピード違反はいけません。
信頼できるソース源でない情報を信じるのもいけません。
本当にやってなくて上申書を出せば、
違反にならないんじゃないの?やってるのに上申書出したってダメだろうに
真実ならば上申書を出す意味はあるだろ。
この場合、
それがウソだと見破られたから通用せず逮捕にまで至っただけだろ。
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